[平成25年度活動記録]研修会「樹 木 の 病 害 虫」 を開催しました。 (記録者 齋藤)

■内容 「樹木の病害虫」

■講師 大澤正嗣 先生  (森林総合研究所 樹木医

■日時 2013/8/23(金) 14:00〜16:00

■場所 山梨県森林総合研究所  https://www.pref.yamanashi.jp/shinsouken/


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お話の概要は以下の通りです。

日 本 の 生 物 の 種 類

 動物の種類(昆虫の種類は多い) 甲虫類擬態、ハチ擬態、糞尿擬態
   クワガタ・カブトムシ・アサギマダラ・カミキリムシ


 ▷アサギマダラの主な移動ルート 

 

   北上のルート 台湾陽明山 ー 九州・京都比良山

   南上のルート 比良山 ー 南大東島・比良山 ー 台湾・九州 ー 陽明山

   南北の移動範囲(蔵王ー中国)まで及んでいる。


 ▷役立つ虫  カイコ(ネクタイ)・ミノムシ(財布)

 ▷おいしい虫 ハチミツ、蜂の子(ヘボ)クロスズメバチ、イナゴ、カミキリムシ幼
        虫、ゲンゴロウ

 ▷毒虫    ドクケムシ、チャドクガ、サコケ(柿の木)、ヤマビル 
        富士川の西方(南部・早川)・北杜の一部・韮崎の一部
        マダニ ー 鹿に住み着いている (5mm) 病気の媒介

 ▷感染症   スピロヘーター(ライム病)
        リケッチア(日本広班熱)
        ウイルス (SFTS) 重症熱性血小板減少症候群

 ▷財産害虫  服を食べる虫・カツオブシ

 ▷農林害虫 
   

         ナラ枯れ 1998年から発生
         被害  長野 16年発生
              静岡 20年発生
              群馬 22年発生
              東京 22年発生
     
       ◎カシノナガキクイムシ(養菌性昆虫)
         ・夏〜秋にかけて、大きな木でも短期間に枯れる激しい被害がある。

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    山梨県下一円にナラがある。ナラ枯れを未然に防ぐため、32ヶ所で調査を 
    している。幸い県下には発生していないが、近県に及んでいる。

    標高2000m以上の山で発生している。ミズナラ、コナラ、ウラジロガシ、
    アカガシ、(ブナ、ナラ属・カシ属)の木 


    特に、8〜10月に褐変が起きる。早期発見・早期の処置が必要である。

        ・高さ2m以下の樹幹から大量のフラス穿入孔(直径2mm弱)
        ・独特の形をした成虫(5mmほどの円柱形のキクイムシ

 
      ◎松くい虫

         ・マツノザイセンチュウ 大きくても1mm以下
         ・マツノカミキリ(2〜2.5mm)が媒介

    弱った木でないと卵が生めない。
    現在は、減少しているものの、低迷は維持している。
    標高950m〜1,150mに多く発生している。

    [対 策]
        ・予防散布 5月終りの(5月25日前後)6月中旬、7月初め、7月下旬
         計4回

        ・樹幹注入剤  マツノザイセンチュウを殺す。(大きな木で5万円位)
         
         (注)天然記念物には、注入しなかった(武川舞鶴のマツ)。
          1〜4年に一度樹幹に注入(2月頃が適期)。

        ・被害木の除去5月下旬までに伐倒(焼却・燻蒸処理・薬剤散布)。

        ・最近は直接地面に撒いて予防する方法がある。