やまなし緑サポーター会第3回学習会
日時:平成30年11月28日(水)午後1時30分~2時
場所:武田の杜サービスセンター研修室
演題:「ツツジの品種・栽培・病害虫」
講師:大澤正嗣先生(樹木医・農学博士)
山梨県森林総合研修所 森林研修部長
ツツジは公園木、街路樹としてごく一般的に植栽されている。
常緑生のツツジ
○ヤマツツジとその品種
我が国の北海道南部から本州、四国、九州に自生する。最も一般的な原種各地の平地林の山裾に見られる低木、地方によって形態が著しく異なる。
山梨でも普通に山野に見られる。「躑躅ヶ崎」など、山梨県の地名に残る。
・サタツツジ
花色の変異、多花性のところがグルメツツジと同じ
特徴:
①春と夏に2回出葉し、夏に出る葉は大部分落葉せず越年(半常緑)
②最低気温が8℃以上になると開花。
開花は、近畿や関東では4月下旬、東北は5月。
③開花から満開まで10~20日。
九州南部(鹿児島県霧島山)で育成された品種 霧島ツツジの由来。
福岡県久留米地域の特産。
花は3~4cmと小輪だが花付きはよい。交雑による幅広い花色、他のツツジに見られない派手さあり。ほとんどすべてに枝先に花芽が文化し脇芽まで花芽になるため、他のツツジと比較して花数各段に多くなる。
若葉が伸びだすのが遅く、枝が詰まった樹形になるので、全樹が花で覆われる。ゴールデンウィークに開花するので公園、行楽地で植栽されているツツジはほとんど本種。
耐寒性は比較的あるが過湿に弱い。本種の鉢植え、盆栽として楽しまれてきたが近年はわすれられている。
・江戸キリシマの品種
キリシマツツジの1系統。鹿児島地方の野生品種から江戸時代に江戸を中心に発達。花色は緋色は代表される。
ヤマツツジの血が濃く、グルメツツジより良く伸びて立ち性、耐寒性あり。
20品種程合ったが、近年は栽培されることが減っており、2品種程が見れれる。
○ミヤマキリシマ
九州の1000mグラスの高山の山頂付近に自生(霧島山、阿蘇山、雲仙岳)地を這うような形で密な樹冠。冬の寒気と強風によって灌木が育ちにくいところに生育。裸地性の植物でササ等に弱い。
花は小輪2~3cm、花弁の上唇に斑点がほとんど無い、淡紫色がほとんど。盆栽に適している。
○サツキ
紅花系の野生サツキ紫花系のマルバサツキの2系統あり、野生の原種から育成された園芸品種。ツツジより1ヶ月遅く開花。
栽培:自生地の降水量多く、西日の当たらない渓流沿い、空中湿度多く、耐寒性低い。酸性土壌(ph4‚5~6)鹿沼土(通気、排水、保水の良い土壌)
半陰性、午後はよしず越し等。盆栽、四季の変化、コンパクト、枝が密、側枝の発生多数。庭木様々な種類あり。
○ヒラドツツジ
長崎県平戸地域で育成された大型のツツジ、あるいはそれと同様な品種群。複雑な交雑により葉形や花など非常に変化に富んでいる。
一般的には樹勢が強く、生育はきわめて旺盛で樹齢も長い。
ツツジの中では強健、寒さにやや弱い品種でもある。
花色豊富、花径は6~15cm、株が大きく満開になると見事。
○ケラマツツジ
奄美大島から沖縄本島に分布、あまり知られていない。標高1~2m。重厚な葉と強烈は花色で是非庭木に加えない一品。
園芸品種はほとんどない。寒さに弱い。関東東部まで、風よけ、霜除け。
落葉性のツツ
早春から開花、枝先に葉が3枚輪生。痩せ地に生える。
ミツバツツジ、トウゴクミツバツツジ、サイゴクミツバツツジ、ナンゴクミツバツツジ
花は大変きれい、新緑の前に開花し色も良く目立つ。園芸化が遅れている。
オレンジ色、黄色の花色は、ツツジには珍しい。園芸化されていない。高山性のツツジで暑さに弱い。根から花まで毒を含むので要注意。
※シヤクナゲとツツジは同じ仲間(ハクサンシヤクナゲ、アズマシヤクナゲ)
病気、害虫などの特徴と対策
○ツツジグンバイムシ
軍配のような形をしている害虫、体長は3~5mm。幼虫も成虫も葉裏で吸汁する。葉は白い絣模様になる。4月~10月の間に何回か発生する。
防除⇒殺虫剤を葉の裏にかけるように散布する。
○ベニモンアオリガ
幼虫がツツジ類の蕾と新芽に穴を開けて、内部を食べる。このため、蕾や芽が枯死し、翌年の花数が減少する。
対策⇒殺虫剤(オルトラン、カルホス等)を、7月10月まで、2週間に1度散布する。
中に虫のいる蕾を取り除く。枝に白いマユを作り越冬するのでこれを取り除く、
○天狗巣もち病
比較的珍しい病気だが、美森周辺では被害が多い。
対策⇒罹病部分の切り捨て。環境の改善。
○地衣類
枝の薄い枝に日が当たる部分ができるとそこに地衣類が発生する。ツツジ自体が大きな被害を受けることもある。
対策⇒ツツジを元気に育てる。地衣類を除去する。
○夏の乾燥
ツツジ類は、乾燥では、十分育たない。道路の路側帯に植栽され、乾燥し過ぎて良く育たない例が多い。特に植え替え後は十分な灌水が必要。
○レンゲツツジの衰退
甘利山のレンゲツツジ衰退の調査は途中であるが、枯れが多く花が付かない株は、根元から切り戻し、萌芽させる。
ススキや笹などを刈った後地面に敷き、乾燥を防ぐが有効であることが解りつつある。
○シャクトリムシ等(ヒョウモンエダシャク)
美森のオオヤマツツジ
ヤマツツジ列では唯一の国指定天然記念物希に見る巨樹日本1樹高2.5m枝まわり24m主幹20数本+12本
昭和3年(1928年)県指定
昭和10年(1935年)国指定
昭和48年(1973年)花付きは半分、樹勢やや衰弱、天狗巣もち病の被害が多発。遅霜の被害も受けた。
学習会皆様熱心に受講しています。
武田の杜サービスセンターは、やまなし緑サポーターの学習や実践の場でもあります。何時もお世話になり有り難う御座います。
秋の美し森美化活動の参加
実施日:平成30年11月25日午前9時~11時30分
場 所:清里美し森一帯
主旨:秋の美し森美化活動は、去る6月3日に約200本のツツジを植えた。その保護育成の為下草刈りを実施する。
やまなし緑サポーター会は、自主活動の一環として、この「美し森ツツジの献植」を対象に植栽木の保護育成について、どんな協力が出来るのか、此まで2回の班長会議で検討してきました。
今回は秋の美化活動に合わせ会員からも参加を募り14名の皆さまが遠くから大月市や富士吉田市からの会員の協力を得て、秋晴れの中で献植の下草刈りに、いい汗をかきました。ご参加の皆様大変ご苦労様でした。
繁茂する笹原の下刈草刈りに汗😓する会員の皆さまです。
美化活動を無事に終了して、ほっと一息する。皆さまの笑顔😊が素晴らしい。素晴らしい❗
写真👀📷✨は美し森の観察路入り口、急な坂の階段が続くが素晴らしい景観がある。
秋の美し森美化活動参加の経緯について
6月8日やまなし緑サポーター会総合で、第3号議案事業計画(案)について、麻川会員から自主活動の具体的な提案かありました。この提案について、班長会議を開催し取り組を検討してきまました。
班長会議開催
平成30年6月28日(水)PM1:00~3:00
場所:武田の杜サービスセンター研修室
出席者:山村副会長、齋藤事務局、海老塚会計
小林班長(1班長、副会長)、萩原班長(2班長、監事)、広岡班長(3班長、事務局)、加藤班長(5班長)
〈麻川会員からの提案〉
北杜市観光協会が実施した「美し森ツツジの献植」について、個人的には草刈り水やりなどの保護育成を行っているが広範囲で活動に限界がある。緑サポーター会自主活動としての取り組みが出来ないかとの提案があった。
まずは、麻川会員からプロジェクターで状況が説明された。緑サポーター会としてどんな取り組みが出来るかを検討した。
〈決定事項〉
1、緑サポーターの活動とし「美し森ツツジの※献植」を対象に植栽木の保護育成活動を実施するに当たり関係機関と協議をする。
2、活動は「山梨県緑化推進機構の森林ボランティア団体活動支援事業」の主旨に合っている。
3、班長会議で現地調査を行う。
※『献 植』
「県有林内献植の取扱基準:県有第3-5号」にて植栽した樹木は「県の所有」とする、その樹木の保護育成は植栽者が行うこととする。
「北杜市観光協会」が29年、30年の2年で約500本のツツジを植栽、30年4月23の日「県有林内献植について」申請して、5月23日付けで県の承認をうける。
6月の植栽には約100名が参加して盛大に開催された。
第2回班長会議(現地調査)
日時:平成30年7月25日(水)(AM9時30分美し森駐車場)
出席者:山村、小林、萩原、広岡、麻川、加藤、齋藤
美し森駐車場から遊歩道の階段を昇り美し森頂上(売店)付近までのツツジ群落地は特に枯れ枝などが目立つ、又、献植した幼木はササに覆われ見分けが付かない状況である。年1回程度の下草刈りでは十分なとは言えない。保護育成の必要性を感じた。
又、北杜市観光協会との協議では、やまなし緑サポーター会に献植の保護育成についての協力要請を受けた。
中北林務環境事務所に問合せ、県有林⇒八ヶ岳中信高原国定公園⇒森林文化の森⇒八ヶ岳の森⇒美し森と一連の指定地域での活動について、献植の位置付けを確認する。
以 上
第11回甘利山クリーン大作戦荒天の為中止
実施日:平成30年10月27日(土)
集合時間:午前8時(8時30分出発)受付終了後、中型バスで現在へ向かう予定でしたが、6時20分韮崎市役所から、本日は荒天の為中止の連絡が有りました。
甘利山クリーン大作戦の主旨
南アルプスユネスコエコパークの前衛・甘利山は、山頂一帯を紅に染める約15万株といわれるレンゲツツジの大群落や、貴重な高山植物が自生する。”にらさき„を代表する名勝地であります。ユネスコエコパークの緩衝地域にある。甘利山の「美しく豊かな自然」を守り、”夢と感動„を次の世代に継承するため、『甘利山クリーン大作戦』を実施しますので、多くの皆さんのご協力をお願いします。
やまなし緑サポーター会は5年前からこの主旨に賛同して参加しています。今年度も13名の参加者が有りましたが荒天の為中止となりました。
甘利山の「美しく豊かな自然」を守り、”夢と感動„を次の世代に継承するために❗
県外視察研修会
日時:平成30年10月24日(水)午前8時~5時
場所:東京八王子市廿里町 多摩森林科学園
〈研修テーマ〉
我が国最大の森林関係研究機関、明治以後からの研究成果や樹木の保護育成、管理を視察研修する。
〈多摩森林科学園の概要〉
八王子市高尾にある「多摩森林科学園」は、森林に関する研修機関で、展示館(森の科学館)、約7ヘクタールの樹木園(およそ600種)、サクラ保存林を通年一般公開している。
木材を活用した2階建ての「森の科学館」は、パネルや映像、いれいろな資料を展示、交流の場、森林講座も開催。
8ヘクタールの広大な「サクラ保存林」は、江戸時代から伝わる栽培品種や国の天然記念物指定のサクラのクローンなど、全国各地のサクラ約1500本が植えられており、見頃となる2月下旬から4月下旬は多くの人で賑わう。
「樹木園」は、7ヘクタールの敷地に、昭和の初期から、国内外の樹木約500種、6000本を植栽。園内では775種の野生植物が記録され、季節の植物を楽しめる。
また都市近郊としては珍しく、四季折々、野鳥、ほ乳類などたくさんの生きものたちに出会えるのも魅力。園内ガイドツアー(2時間)も開催している。
○サクラ保存林みどころ
約8ヘクタールにもおよぶサクラの保存があり、全各地のサクラ🌸1500本が植えられています。サクラ🌸の開花は種類によって異なり、2月下旬から4月上旬まで順次見頃をむかえます。
恒例の県外視察研修会は、東京都八王子市にある独立行政法人森林総合研究所多摩森林科学園を研修しました。
〈樹木園観察〉
当園の研究員さんのご案内でまず園内の概要について説明を戴きました。次に樹木園を視察しましたが、第1樹木園は台風➰🌀の為倒木があり立ち入り禁止となり、今回は第2樹木園のみとならました。
参加者が38名と大勢となり、2班に別れてご案内戴きまた。
園内の森林は、江戸時代には幕府直轄であり、明治以降には御料林として公的に管理・保護されてきたため、薪炭林として利用されるようなコナラの二次林は少なく、逆に、この地方に潜在的にあったと考えれる、モミやスタジイなどの常緑樹が多くみら見れるのが特徴でした。
・「モミ」
常緑高木、30~40m、花は単性で、雌雄同株4~5月開花、球果は円柱形で10月熟す。
・「スタジイ」
常緑高木、20~25m、花単性で、雌雄同株果実は翌年の10月熟し堅果。
散策路を進むと❗
・「イチイガシ」
コナラ属、常緑高木20~30m、花単性雌雄同株4~5月開花、果実は10月熟す。同じ仲間に、ウバメガシ、アカガシ、アラカシ、ウラジロガシ、イチイガシ、ツクバネガシなどがある。
・「ヒメバラモミ」
常緑高木30~40m、花は単性雌雄同株5~6月開花、球果10月熟す。
・「コナラ」
落葉高木20~30m、花は単性で雌雄同株、果実は当年の10月に熟す。
ミズナラ別名オオナラ比較的標高が高い所に生育す
更に釣船草通りからサクラ🌸
・「サクラ保存林」
前記の通り、8ヘクタールのサクラ保存林は日本全国の主要なサクラの栽培品種や名木、天然記念物などのクローンが植栽されついる。まさに、10月ザクラが咲いていた。🌸
釣船草通りを戻り、休憩所へ、
・「スギ」
常緑高木30~40m、花単性雌雄同株、3~4月開花、球果は10月、他にエンコウスギ、アシウスギ
〈経木〉キヨウギの名前の由来
元々はお経を書いていたことが由来だと言われている。その後、他の様々な用途でも使われるようになった。
・「イヌビワ」
落葉低木3~5m、花単性で、雌雄同格4~5月開花、果実は11月に熟す。
・「メタセコイヤ」
花期は2~3月、果期は10~11月、(アケボノスギ分布中国四川省原産)
同種に「ラクウシヨウ」がある。4月開花、球果10~11月、(ヌマスギ分布北米南部原産)気根がでる。
以上で樹木園を一巡して展示館に戻りました。丁寧なご案内を戴きました有り難う御座いました。
帰路は、圏央道から中央道へと大月経由で無事に甲府に戻りました。早朝からのご参加戴きました皆様大変ご苦労様でした。
平成30年度山梨県・緑の普及啓発事業特別講演会
吉谷桂子氏講演会
人に魅せる庭ずくり~ヒンとノウハウ、考え方~
英国出合った「生活に花や緑を添え、豊かに暮らす」というガーデニングに対する姿勢と花のある暮らしの魅力について紐解き、英国式ガーデニングのノウハウと日本で実践する場合の違いを通して、一般の人が魅力的な庭を造る方法について語っていただきます。
開催日:平成30年10月17日(水) 午後2:00~4:00(1:30開場)
場 所:敷島総合文化会館
山梨での講演会に向けて
英国を中心にヨーロッパ中の美しい国々を巡り、その街や村の美しい眺めに魅了されました。その美しさの維持管理やコツをしりたいと、27年前英国に移住しました。そこで知った本場ガーデニングの魅力と帰国後20年間で実践してきた日本でのノウハウや花や緑のある豊なくらしを、現地で撮ったたくさんの写真とともにご紹介します。たのしんでいただけたらと願っています。
(吉谷桂子)
上の写真👀📷✨は、1996年頃に撮ったグラベルガーデン。このときも美しい❗と感激しましたが、今、20年以上が経過して、きっとプランティングシステムも確立して美しいことでしよう。
この景色に感動するタイプの方と、そうでない方がおられる現実とも、向き合って長くなりました。
私が英国で出会った「生活に花や緑を添え、豊かに暮らす」というガーデニングに対する姿勢と花のある暮らしの魅力について紐解き、英国式ガーデニングのノウハウと日本で実践する場合の違いを通して、一般の人が魅力的な庭を造る方法についてお話をします。
・英国人の花づくりに対する考えについて
・花のある暮らしの魅力について
・日本で生かす英国流ガーデニングのノウハウについて
・ガーデニングのイギリス事情、日本事情
日本の事情では、特に日本がイギリスほかヨーロッパひふ気候の違い以外にも、今、私が悩んでいる点、21世紀に入って台頭してきたダッチムーブメントが日本では受け入れられにくいという点です。イネ科の植物、私個人的には大好きですが....。それは人によって観念的にダメな場合と、これは乾燥した風通しの良い傾斜地など美しく育ちますが、雨☔の多い日本では汚くなる場合があり、以前中之条で大量に抜いたことがあります。痛く辛い経験でした。雨☔の多いとやはりだめだった。
美しく育つ場合が希ながらある。しかしめげあいぞーや❕
ただいま、ニューペレニアルムーブメントのコンテナ寄せ植えを制作中です。
コンテナなら、土はストレスフリーがはいっている(数年前からずっと入りっぱなし)ので、コントロールもたやすい。もともとストレスフリーの土雑草が生えにくい。
あとは、空気の蒸れや天候不順がどこまでか。
少し大型の植え木鉢(直径50cm以上)で、何(品種)がどこまでかで、できるか❕
その結果は、来年登場のディノスガーデニング誌上にて!宅配で届いたものを箱から出したところ。(普段は留守の時など、宅配ボックスがとっても役立っていますが、今は作業台に...)
現在、その寄せ植えを作っていますが、できてすぐではなく来年の秋が、第一着地点。
その最終結論は何年か後になりそうですが、追って写真👀📷✨でルポしたいと思います❗
(以上吉谷桂子ガーデニングブログを掲載しました)
今年も、やまなし緑サポーターは、この講演会をサポートする一団体として後援の一翼を担う事ができました。
当日の講演会には、15名の会員が熱心に聴講されました。
ほ
平成30年度第2回学習会の開催
日時:平成30年9月19日(水)午後1時~4時
山村副会長より開会の挨拶と講師紹介が有りました。
鈴木先生は、笛吹市御坂町在住・大月短期大学非常勤講師として生物学を講義しております。
又、山梨日日新聞「なるほど植物学」「やまなし樹木天然記
物」などコラムを掲載、著書は「山梨花の散歩道」「中央線花ハイキング」共著に「山梨の花高山植物」など著者多数有る。
演題:「なるほど植物」
はじめに、先生が植物の様々な教材をご用意戴きました。用意された、教材を使って分かり易く楽しい講義が始まりました。
※ススキとオギは色で区別できる。
十五夜さんのお月見に🐰🎑🍶 ススキの穂と白玉のだんごや 穫物のカキやクリなどをそなえ、風になびく穂を眺めて尾花(おばな)と言った心境は、日本人独特な風習かもしれません。
○外観からの区別
ススキとオギはよく似ているが、オギはススキより大型で、地下茎があるため林立しついる。一方ススキには地下茎がないので、株立ちをしています。また、オギは水分の多いところを好むので河原や湿地に生育するのに対して、ススキは乾燥した草原に生育している。
○区別する決め手
多いは実が一粒入っている小穂(しょうすい)の毛(基毛・きもう)
が、小穂の二倍以上長いのに対して、ススキの基毛は小穂と同じくらいの長さ。
なおススキの基毛は薄茶色ですがオギの基毛は銀白色をしているので美しく、遠くからでも色合いで区別できます。
ススキには、実の殼にある針状の毛である芒があるのに対して、オギには芒がない。
※ヒノキとサワラの違い・葉裏の白粉がYかXか
ヒノキの仲間(ヒノキ科)には、ヒノキ、サワラ、アスナロ、クロベ、コノテガシワ、ネズミサシなどがあります。
庭園によくみ見られるチャボヒバ、イトヒバ、シノブヒバは、ヒノキかサワラの仲間かの違いについて、ヒノキの葉鱗片状で茎に密着しており、左右対生する大型のものと、上下に対生する小型のものがある。
そして葉先がまるく、そとに尖らない。裏面に葉の会わせ目の溝にそって蝋(ろう)の白粉があり、これがY字にみえる。一方サワラの葉は、左右、上下に対生し先が尖り、外に突出す。
葉裏の白粉は多く、ヒノキより白く見え、これが蝶々形やYの字にみえる。
そこで、チャボヒバは、葉先が尖らず、葉裏の白粉がY字なので、ヒノキの仲間(ヒノキの変種)になります。ヒノキより枝葉が密生し、余り長く伸びず、葉は小さく緻密です。
次に庭に枝が長く垂れ下がるイトヒバは、葉先が尖り外に突き出るのでサワラの仲間(サワラの変種)になります。
シノブヒバも同様サワラの変種で、葉が長く、先が長く尖り出ます。さらにヒノキの実は8~10㎜、サワラは5~6㎜、ヒノキの実の方が断然大きく区別できる。
どちらも福島以南に生育し、ヒノキは自然には山🏔の尾根筋に生育し、サワラは西沢渓谷など沢筋に生育する。
ヒノキは山梨市切差の金比羅山の岩尾根に相当の古木が6本ほど生育し、県の天然記念物に指定されている。
※サクラ🌸は何故美しい?ー日本人は何故こんなサクラに魅せられるのかー
サクラの花が咲きはじめると、春本番になったと胸がときめき、寒い❄冬から⛄やっと解放されたと希望が湧いてきます。
①花の数が多い
サクラー1つの蕾の中から3~4つの花が出る。成木の花の数 ー10万以上
ウメー 一つの蕾から1つの花。生木の花の数ー3万
②どの木も同じ時期に一斉に咲く
・蕾の中にいつでも花を咲かせる状態で冬眠している。
・ソメイヨシノー接木で増やしている(クーロン)
どの木も同じ性質
③散りぎわの美しさー花の命は1週間。花びら一枚一枚が回転して散っていく(花びらの形が丸い、しかも花びらが反っている)
○サクラの分類1がく筒で違いを見つけ
1、ヤマザクラ・がく筒はすんなりとし膨らまない。花柱、がく片は無毛。
2、カスミザクラ・がく筒はすんなりし膨らまない。花柱に毛。花柄に毛。
3、エドヒガン・がく筒がつぼ形に膨らむ。花柱、がく片、花柄に毛がある。
○サクラの分類2葉の違い腺体探してみる
1、ヤマザクラ・若葉赤褐色裏は白味を帯びる、腺体が柄の上部にある。柄に毛がない。
2、カスミザクラ・若葉は緑色裏は薄い緑、腺体が柄の上部にある。柄に毛がある。
3、エドヒガン・葉が長い、側脈が10本前後ある。腺体は下部に多い。
○なるほど
・フクジュソウ(花の温室で虫を集める戦術)
福寿草は雪の消えたばかりの早春に花を開き、山国に春を知らせます。
フクジュソウは夜や曇りの日は雌しべや雄しべを守るために花を閉じていることをご存知ですか❔そして、日が出ると花は太陽を追いかけます。パラボナアンテナのような形をした黄色く光沢のある花は、雄しべや雌しべのある花の中心に光をよく集めます。花の中は外気温より10°C近くも温かく✨☀✨なりまるで温室です。花に蜜はないが温かい空間と雄しべが出す花粉を求めて、ハナアブの仲間がやってきます。暖められた花の中でハナアブは活発に活動でき、その結果、花粉が体に付着して花粉の「運び屋」になるのです。
・オオイヌノフグリ(二段構えで種を残す)
節分👹を過ぎても明け方まだ氷点下に冷えるころ、日だまりの空き地や田畑には、オオイヌノフグリの花がコバルトブルーの瞳を輝かしたように開きます。小型のハナアブの仲間は、ほかに花がないので、わずかな蜜や花粉を求めてやってきて、彼らのエネルギー源にします。
花粉を受け渡しが済んだ花は色が薄れて、1~2時間後にぽかりと落ちてしまいます。とこれが、冬の虫の少ない時期、1日待っても昆虫が来ないこともあります。オオイヌノフグリの花は1日で散る一日花で明日待ちたくも、明日はありません。昆虫に訪れてもらえなかった花は、子孫を残せないのでしょうか❔
ところが、日が西に傾くころ、花粉にもらえなかった花は、左右に離れていた雄しべが真ん中に立っている雌しべにそっと寄ってきて花粉の受け渡しをします。そして、めでたく種を残すことができます。これを同花受粉と言います。
※街と緑英国見聞記
「木の権利」
ロンドンテムズ川沿いや街路樹トチノキ、ボダイジュ(菩提樹)オーク、カエデ類、トネリコ、シラカンバなどが植えられている。樹木は成長をそのまま自然の姿―樹形が保たれて1本1本の形が実に美しい。木の権利―も木権があるように伸び伸びと数百年の成長が続いているところに、イギリス人の木に対する気持ち―国民性が感じれる。かるヨーロッパ人のツリードクターが東京に来て、街路樹が剪定や枝下ろしされている姿を見て「日本人はどうしてこんなに木をいじめるのだろう」と驚いた。
「憩いの場・公園」
樹木は自然のまま配す・数の多さと広さに驚く❗街路樹の
素晴らしさに驚き、さらにロンドンは公園が多いことにも驚いた。ハイドパークには、日本の木ケヤキ、エノキ、ブナ、イロハモミジなどが育てられている。
「王立植物園」
世界の樹木がそろう、スケールの大きさ実感❗広大な公園内は、プラタナス、ブナ、オーク、ボダイジュ、クリ、トネリコ、イヌシデ、ホオノキ、シラカンバ、カエデ類(いずれも和名の木と違うところがある。たとえばホオノキは日本のものより葉があつく、またシラカンバは葉がちいく、葉身下部がくさび形をしている)などの木々がありのままの姿で育ち、一本一本が大木となっている。それらの樹木がどれだけの大きさになるかを考えて植栽されている。
※森林王国・日本
日本は主な森林の種類がほとんど存在している。世界でも有数のバラエティに富む森林国である。
日本の森林の多様性はワールドクラス❗
北関東から鹿児島までは気候帯で言うと暖温帯です。植物は冬は大丈夫だけれど夏はしんどい、しっかり対策をとらなくては生きていけないという状態です。つまり、冬は光合成をするために葉を付けておくことができる。しかし、夏は蒸散が激しいので葉の表面にしっかりとワックスを分泌して水がうしなわれないように対策をとる。典型的なのがツバキの葉。少し厚めで冬も落葉せず表面がぴかぴか光っている。ワックスのことをクチクラと言いますが、あれが照葉樹なのです。
一方信州や東北・北海道の西半分あたりは冷温帯です。ここでは逆に冬対策が重要。低温のため光合成のできない葉は、利益の上げられない給料泥棒の社員と同じ。秋が深まると全員首にして落葉。春に新入社員を揃えます。したがって夏だけ緑の夏緑樹。北海道の東半分は亜寒帯です。ここではもっと寒冷地仕様の植物である針葉樹が生育します。
シイとブナはどうして違う場所に生えている❔
○夏緑樹と照葉樹はすみわけている。
この広葉樹には、照葉樹(常緑広葉樹)と夏緑樹(落葉広葉)とがある。シイやカシなどの照葉樹は、日本の南の地方に分布し、冬でも葉をつけていますが、ブナやカエデなどの夏緑樹は、北の地方に分布し、冬は葉を落とします。
ある地方に分布する植物の種類は、主に気温と降水量で決まります。照葉樹と夏緑樹の違いと、すみわけようすをみてみよう。
○気温に合わせて葉をつくる
九州の平地には、照葉樹林が分布しています。九州あたりの照葉樹は、冬に気温が下がっても、光合成によって生産される有機物の総生産量から呼吸で失われる量を引いた純生産が大きいので、葉は冬でも役に立っているので落葉しない。
しかし、日本列島を北上して東北地方まで行くと、冬は気温が下がり、光量も減り、総生産が少なくなるので、冬に葉を落とし、春になったら新しい葉をつけるほうが採算よい。
夏緑樹の葉は、半年ほどもてばよいので、薄く菜っている。一方照葉樹の葉、厚くて高温や乾燥にも耐える。作るコストはかかりますが、長持ちすることで採算がとれる。
○針葉樹の葉は寒さに強い
さらに北上して北海道まで行くと、夏でも純生産量が少なく、春に葉をつけかえるコストさえ負担できなくなるため、再び常緑樹が有利になります。しかし、常緑樹といっても、エドマツやトドマツなどの常緑の針葉樹です。
針葉樹の葉は、形細長く、表面はワックスに富んだ厚い層に覆われていて、冬の厳しい低温にも耐えることができます。
○植物の分布を決める主な要因は気温と降水量
・垂直分布
暖帯標高500m(カシ、シイ、タブ、エノキ)ケヤキは温帯にも分布する。
温帯標高1700m(クヌギ、ブナ、ミズナラとコナラ1000mで 分布が別れる、シラカバは800m~1700m)
亜寒帯標高1700m~2500m(ダケカンバ、シラビソ、コメツガ、ナナカマド)
寒帯(高山帯)2500m以上(ハイマツ、高山植物)北海道知床の平地に高山植物
・水平分布
温帯―常緑広葉樹・落葉広葉樹(コナラ、トチノキ、シラカンバカエデ類、クリ、ケヤキ、エノキ)
亜寒帯(エドマツ、トドマツ)
○日本列島は何故降水量が多い?
タクラマカン砂漠🏜で熱せられた空気が上昇してチベット高原ヒマラヤ山脈で冷やされて中緯度(日本列島)に偏西風によてて運ばれるから
○「樹木天然記念物について」
南北3000kmにおよぶ日本列島は🗾世界的にも希なる多種多様な植物が生育している。それらが織りなす四季の変化は美しい日本をつくりあげている。かっては、神社や寺などの境内、農家の屋敷林、集落の辻など、巨樹、大木、老木などがあり、人々に崇められ、大切に保護されてきました。しかし急激な都市化や道路網の拡張、土地の有効利用などにより、これらの木々が姿を消してきました。
地域にある様々な自然は私たちの貴重な財産です。天然記念物に指定され残された樹木は、自然の成り立ちを知る上で欠かせない学術的価値のあるもので、自然史としての歴史の証人とも言えます。
山梨県内には幸い巨樹、名木か比較的多く残されいます。これらは県民の財産です。天然記念物の価値を明らかにして、活かすことで、県民の自然観や地域とのつながりを育むことが出来ると思います。
天然記念物になる条件は、高さ、太さなどの巨木や名木であること以外に、種としての貴重種やまた歴史的価値、数奇な運命をたどった樹木など幾つかがあります。
1988年に、環境省が全国の巨樹・巨木林調査を行うにあたって統一した基準をさだめました。巨木は地上130cmの位置での幹周りが300cm以上の木と定めました。
日本全国の巨樹は55‚798本(1991年)ただし、計測されていない樹木もあり実際にはこの倍以上あると推定されています。最も多い巨木はスギ13‚681本、2位はケヤキ8‚538本、3位はクスノキ5‚160本です。あとは、イチョウ、シイノキ、タブノキと続きます。
山梨県の国指定天然記念物14件、県指定は86件で、一番多いのはスギ、サクラ、マツと続きます。
鈴木先生は、4月かり山梨日日新聞に「やまなし樹木天然記念物」を連載中です。この中でやまなし緑サポーター会の講演会の開催を紹介して戴きました。
今回の参加者は会員33名、一般参加者1名でした。講演では、先生の名調子と幅広い内容で皆さまから大変ご好評を戴きました。先生には、長時間のご講義ありがとうございました。
ろ
🎄《森の樹育て》ご参加ご苦労様でした🎄
日 時:平成30年6月10日(日) 午前10時~12時
場 所:みだいみなみ公園⛲・健康の森(南アルプス市六科)
内 容:苗木の植樹(マツ・どんぐり)
みだいみなみのアカマツが松くい虫に食べられて枯れてきています。いっしょに苗木🎄を植えて、ふるさとみだいみなみの緑を守りましょう。
主 旨:毎年園内のアカマツが松くい虫の被害で枯れて減っきています。そのため林帶を時世代に残す取り組みとしてアカマツの苗やどんぐり苗を移植する《森の樹育て》イベントを開催しています。
やまなし緑サポーター会では、この主旨に賛同し5年前から会の行事として参加しています。今回も13名の参加が有りました。
ご参加戴きました皆さま暑い☀中大変ご苦労様でした。