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〜 午 後 の 部 〜
(富士山の誕生)
総会後は、休憩をはさんで講演会が開かれました。大久保栄治先生を講師にお迎えして、講演内容は、昨年の「南アルプスの素晴らしさを知ろう」に続き、「富士山の植生 木本編(森林を中心に)」です。
お話は、配布された資料に基づいて、以下の順に進行しました。
[富士山の樹木を知るための知識]
1 日本の植物の分布の違い
2 生態学者・吉良竜夫博士は、暖指数(温量指数=暖かさの指
数)を使って、気温と樹林帯(植生帯)の関係を見出した
3 山梨県の植物の垂直分布
4 地史・土壌
5 天然林(自然林)・人工林
6 植物の陽樹・陰樹
さて、以下は当日大久保先生から見せて頂いた鉢植えの植物見本です。いずれも常緑の針葉樹ですが、識別が容易ではなく、熱心な緑サポーターたちは集まって鉢を囲み、「あぁでもない、こうでもない」と頭をひねりました。
☆次回は、山梨日々新聞記事を数点ほど掲載する予定です。
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第5回目の総会が無事終了しました。当会は、まだ「よちよち歩き」の段階と申せますが、設立以来樹木医の先生方のご指導を仰ぎ、また会メンバーの意見を集約しつつ、いかに豊かな内容を盛り込めるのかなど毎年悩みながら活動を継続し、推移して来た経緯があります。
今回の総会で改善点としてまず指摘された件は、会の運営基盤である「会費徴収の困難さ」でしたが、その他「全体的なコミュニケーションの悪さ」についても声が上がっています。新年度は、あらゆる面でさらなる努力と工夫を重ねながら前進していかなければならないと強く感じる次第です。
さて、今回の総会での特筆すべき点は、質疑応答時間が、「(県版事業仕分けにより)山梨県緑化センター廃止へ」という報道があったことを受けて、特に新入会員からフレッシュで率直な意見が出され、意見交換の機会となったことでした。
自分たちの活動の一大拠点である緑化センターの先行きが不透明な状態に陥ったままの現在、それに対する不安と、サポーター活動への熱意とが相俟って、やや荒れ気味の総会となったことをご報告申し上げておきます。
(☆なお、新聞記事などの資料画像は、後日当ブログにまとめて掲載する予定です。)
◆日時/2013/5/25/ 10:00〜11:00
◆場所/山梨県緑化センター
◆出席状況/出席28名 委任19名 欠席13名
◆来賓/山梨県森林環境部 みどり自然課課長代理 阿部氏
山梨県緑化センター 所長 小野氏 (順不同)
【総 会 議 事】
○第1号議案「平成24年度事業報告について」 可決
○第2号議案「平成24年度収支決算報告について」 可決
○第3号議案「会員名簿・連絡網の更新及び役員改選について」 可決
・6名の入会と4名の退会(総会員数60名)についての報告。
・役員構成(現行) 可決
○第4号議案「平成25年度事業計画(案)について」 可決
・学習会を計画(6月〜11月)
・ボランティア活動の内容(地域緑サポート活動、樹木医会巨樹銘木診断補助活動、
地域巨樹サポート活動、緑化イベントの運営補助活動)
○第5号議案「平成25年度収支予算(案)について」 可決
来賓の皆様、ご出席有難うございました。メンバーの方々もお疲れ様でした。
お蔭で充実感溢れる有益な総会になりました。 以 上。
☆次回は、午後に開かれた講演会についてご報告する予定です。
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■内容 「南海トラフ地震と山梨の災害」
■講師 輿水達司先生(理学博士・山梨県立大学地域研究交流センター特認教授)
■日時 2012/11/10(土) 13:30〜15:30
■場所 山梨県緑化センター
■参加 総計16名(講師1・県緑サポーター15)
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本年度最後を飾る研修会が、講師に山梨県立大学の輿水達治先生をお迎えして、県立緑化センターで行われました。
お話の概要は以下の通りです。
●地球の動き ・変化の規則性
・空間的に 広い範囲を考えること!
・時間的に 長期間について考える!
●山梨周辺の地震災害
●変動地球の規則性 → 人類の生存環境
さて、南海トラフとは何処にある海溝でしょうか? 下図の赤い線に注目してください。
(注)南海トラフ(なんかいトラフ)は、四国の南の海底にある水深4,000m級の深い溝(トラフ)のこと。非常に活発で大規模な地震発生帯である。南海トラフ北端部の駿河湾内に位置する右図黄線の部分は駿河トラフとも呼称される。WIKIPEDIAより
こちら ↓ は、紹介された山梨日々新聞の記事です。(2011年12月28日付)
お話の要点は、以下の通りです。
「予測ができる!」
・自然の仕組みの理解が進歩!
・自然の変化に規則性!
・自然現象に地域性がある!?
「地震・火山の最近の知見!」
・最近の100年では?
・最近の30年? 20年では?
・何が分かってきたのか? (活断層の言葉はいつから?)
・日本列島では?
・本州中央部・山梨周辺では?
「地震は2つに大別される」
「海溝型地震」 深い場所、発生頻度は100〜150年 ・・・ 広い範囲
「直下型地震」 浅い場所、発生頻度は1000〜1万年(周期) ・・・狭い、しかし
「東海地震は 予知できるか? 山梨の問題」
(1)斜面崩落・地すべり(斜面崩落は、水を採取している処に起きる)
(2)液状化(311の時も中央市などに見られた)
☆参考資料 (山梨県サイトより)山梨県東海地震被害想定調査
「間違いだらけの『常識』に騙されるな!」
○まずは自宅を安全にしよう(阪神・淡路大震災で亡くなった方の80%以上は、自宅倒壊、家具倒壊で)
○グラッと来ても揺れがおさまるまで待て(「火を消せ」は関東大震災の教訓。現在はマイコンメーターがガスを止めてくれる。むしろあわてて火に近づくほうが危険)
○自分がいつもいる場所ごとに生き残る方法を考えよう!!
○その他 「公助」が来るまでのサバイバル、家を離れるときの注意事項、避難場所関連など。★家族の連絡方法の事前確認、集合場所を決める、ケイタイ災害伝言板(伝言ダイヤル「171」の使い方、今からインターネットで避難準備などについて調べること!)
「火山噴火の特性と対応 (地震と異なる点)」
・火山噴火は前兆現象がある(一定規模のレベル)
・火山噴火の直後にも時間的余裕!
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日頃の備えにも役立つ実際的なお話が次から次へと続き、刺激的な研修になりました。自ら積極的に調べて自分と家族の安全のために役立てたいものです。有難うございました!
輿水先生は、早川町 南アルプス学講座 <地形・地質・断層について学ぶ>を担当されているそうです。ご参考まで。
最後に、当日緑化センター内で紅葉が見事だったハウチワカエデ(Hauchiwa-kaede Acer japonicum Thunberg)の写真を載せておきます。
■内容 「新宿御苑で樹木の診断等実践講座」
■講師 石井誠司先生(東京都樹木医会理事)・小野仲夫先生(山梨県樹木医会会長)
■日時 2012/10/28(日) 10:00〜16:00
■場所 東京都新宿区・新宿御苑
■参加 総計23名(講師1・同行講師1・県緑サポーター等21)
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10月28日(日)は、朝から雨となりました。
大型バスの出発地点は、かいてらす(山梨県地場産業センター)。そこを午前9時過ぎに出発し、第二出発地点の大月駅前を回って東京の新宿御苑と向かいました。
*新宿御苑は、面積約58.3ha(新宿区38.4ha、渋谷区19.9ha)、外周約3.5km、標高26m - 36m(標高差11m)の日本屈指の大庭園。環境省所管の国民公園です。園内のスペースに「日本庭園」、「イギリス風景式庭園」、「フランス式整形庭園」が組み合わされ、樹木の数は1万本を超えます。春には花見の名所(日本さくら名所100選に選定)として大勢の観光客で賑わいます。「玉藻池」を中心とする回遊式日本庭園は、内藤家下屋敷の庭園『玉川園』の遺構であり、安永元年(1772年)に完成したものです。
御苑10月資料 (注)上の写真は、クリックすると拡大します。
3ヶ所ある門のうち「大木戸門」から入園し、いよいよ研修スタートです!
案内をお願いしたのは、樹木医の石井誠司先生(左端、ベージュ色の傘)です。
クイズを取り入れるなど面白い内容で、頭をひねったり、意見交換したりと緑サポーターたちは飽きる暇なしでした。
[クイズ例] イチョウ(銀杏、公孫樹、鴨脚樹、学名:Ginkgo biloba)の葉っぱ。中には変わった形のものがあります。見つけてみましょう。 *回答は、本ブログ記事の最後にあります。
新宿御苑には珍しい樹木がたくさんあります。こちらの大きな樹は、希少植物のタイワンスギ(スギ科タイワンスギ属 Taiwania cryptomerioides)。樹高50メートルになるものもあるそうです。
新宿御苑には75種、1300本ものサクラがあるそうです。こちらの巨木は、明治時代に接ぎ木されたもの。当時と今日の技術の差について解説して頂きました。
当日咲いていたジュウガツザクラです(十月桜、バラ目バラ科サクラ属の植物。桜の園芸品種。毎年、年に二度開花。学名:Cerasus subhirtella (Miq.) S.Y. Sokolov, 1954 ' J〓gatsuzakura')(Synonym : Prunus subhirtella Miq. var. autumnalis Makino)。
さて、今回の研修のメインテーマは「針葉樹」でした。センベルセコイヤ(スギ科 セコイア属. 学名:Sequoia sempervirens ( Lamb.) Endl.)という常緑針葉大高木を始めとして、数多くの樹木を駆け巡りました。上の写真は、ギンヨウヒマラヤです(マツ科ヒマラヤスギ属 Cedrus atlantica f. glauca)。
こちらが、石井誠司樹木医さん。ご自身の著書「樹木ハカセになろう」 (岩波ジュニア新書) を手に熱心に解説中の光景をパチリ。
(注)本の参考サイト http://jump.cx/FDinQ
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今回参加した緑サポーターの中には「新宿御苑は初めて」という会員も複数いました。皆さん、感銘を受けたようです。このブログ記事では多くを紹介できませんでしたが、広大な御苑内を、植物のことだけでなく、公園の現在に至る歴史についても語ってくださる案内人と共に歩き、多彩な事柄を学ぶことのできたこの機会に一同感謝しています。
*最後に[イチョウのクイズ」の回答 写真中央付近にロート状に丸まった形の葉が見えます。ラッパイチョウ(Ginkgo biloba Linn. f. tubifolia)と呼ばれ、全国で発見されているそうです。身近なイチョウを見直してみるのも楽しいですね。